結論から言うと、イタリアンとフレンチは「同じヨーロッパ料理」でも、食材の使い方・ソースの作り方・ワインとの関係性において根本から異なります。その違いを正直にお伝えした上で、「じゃあ清水でどちらを選べばいいの?」という疑問にもお答えしていきます。
こんにちは、ワイン食堂シャンティの店長山田です。清水区西高町で開業して今年で14年目を迎えました。28年の調理師経験のうち、ほぼすべてをフランスのビストロ料理に費やしてきた私ですが、「なぜイタリアンじゃなくてフレンチなんですか?」というご質問は、今でもカウンターでよくいただきます。
「どちらが上か」という話ではありません。ただ、この2つのジャンルの違いをきちんと知ると、お店選びがぐんと楽になるんです。今日はその話をさせてください。
こんな方におすすめ
- ✅ イタリアンとフレンチの違いが正直よくわからない方
- ✅ 清水区でフレンチを探しているが「敷居が高そう」と思っている方
- ✅ ワインを飲んだ翌日に胃もたれや頭痛が気になる方
- ✅ 記念日や接待で「外さない店」を探しているビジネスミドルの方
- ✅ 地元食材にこだわった料理を食べてみたい方

ソースの深さが、フレンチとイタリアンを分ける
料理人の視点でいちばん大きな違いはここです。
イタリア料理は「素材そのもの」を輝かせることを最優先にします。パスタにしてもピザにしても、良いオリーブオイル、良いトマト、良いチーズがあれば、シンプルな調理で完成する。余計なものを加えないのがむしろ美徳とされます。
フランスのビストロ料理は、そこからもう一歩踏み込みます。素材を活かしつつ、出汁(フォン)やソースを丁寧に時間をかけて重ねることで、単品の食材では生まれない「第三の味」を作り出す。たとえばシャンティの看板メニュー「岡村牛の赤ワインとろとろ煮込み」は、静岡県産の富士山岡村牛のスネ肉を赤ワインと共に4時間かけて煮込みます。肉の旨みとワインのタンニン、野菜の甘みが時間をかけて溶け合うことで、素材だけでは到達できない深みが生まれる。これがフランス料理の骨格です。
この煮込み料理は2年連続で金賞を受賞していますが、正直なところ「レシピが特別」なのではなく、「時間を惜しまない」ことが全てだと思っています。4時間という数字が、そのまま料理の深さになっています。
ワインとの関係も、実は大きく違う
イタリア料理とワインの関係は「地元のワインで地元の料理を飲む」というシンプルな法則が基本です。ピエモンテの料理にはバローロ、トスカーナの料理にはキャンティ。ペアリングの考え方はわりと直感的で、ぶどうの品種よりも産地の組み合わせが優先されます。
フランス料理のワインペアリングはもう少し構造的です。ソースのベースが何か(バターか、クリームか、赤ワインか)、調理法は何か(蒸すか、焼くか、煮込むか)によって、合わせるワインの選び方が変わってきます。たとえば赤ワイン煮込みにはフルボディの赤を合わせるより、同じ赤ワインでも少し酸味のあるものを選んだほうが料理の脂をきれいに洗い流してくれる。
シャンティでは自然派ワインを中心に揃えています。その理由のひとつは、常連のお客様からよく聞く言葉にあります。
「ここで食べると、次の日体の調子がいいんだよね」
(食べログ公式PRに掲載・女性客)
自然派ワインは、醸造の過程で酸化防止剤を最小限に抑えたものが多く、体への負担が少ないと感じる方が多いようです。もちろん個人差はありますし、量の問題もある。でも「翌日に残りにくい」というご感想を複数のお客様からいただいていることは、ひとつのデータとして正直にお伝えしたいと思います。
✓ ここまでのポイント
- フレンチはソースと時間で「第三の味」を作る料理。イタリアンは素材そのものを引き立てるスタイル。
- ワインのペアリングはフレンチの方がソース・調理法との関係が深く、自然派ワインは翌日の体への影響が少ないと感じるお客様が多い。
- シャンティの岡村牛赤ワイン煮込みは4時間という時間そのものが味の根拠になっている。
「カジュアルに楽しめるか」という点では、清水のフレンチはまだ誤解されている
清水区に住んでいると「フレンチはちょっと敷居が高い」と感じる方が多いようです。ローカルテレビ番組でシャンティを取り上げていただいた際も、「え、清水にこんな店があるんだ」という反応が多かったと聞きました。
実際にはフランス料理にも「ビストロ」というジャンルがあります。日本でいえば定食屋に近い感覚で、気取らず、予算もほどよく、毎日通える日常の食堂がビストロです。シャンティはその業態を清水でやっています。ディナーの客単価は5,000〜5,999円、ランチは1,000〜1,999円。静岡駅前の本格フレンチに比べればかなりカジュアルな価格帯です。
一方でイタリアンが清水区に多い理由も分かります。パスタやピザは馴染みやすく、メニューの想像がつきやすい。初めて行くお店として「外しにくい」という安心感がある。それはイタリア料理の大きな強みです。
では何が違うかというと、「何度目かの食事」の深さだと思っています。記念日・接待・家族の節目といった「特別な理由がある食事」に、もう一段の奥行きを求め始めたとき、ビストロ料理の構造が引き立ちます。
「住宅街を少し入ったところで、こんなところにお店があったんだ!といった印象。接客、味も満足度が高い」
(食べログ口コミ・2024年11月)
清水の地元食材と、フレンチの相性について
私が2012年にシャンティを開業した理由のひとつは「地元にある良い食材や自然に気づいてもらいたい」という思いでした。14年かけて構築してきた地元食材のネットワークを少し紹介させてください。
富士山岡村牛、TEA豚(お茶豚)、契約農家の野菜、清水市場直送の魚、季節の由比桜えび。これらはすべて清水・静岡エリアの食材です。そして実は、これらの食材はイタリア料理よりもフランスのビストロ料理との相性がよいと私は考えています。
なぜかというと、ビストロ料理は「地方の食材でいかに深い味を作るか」を本質としているからです。フランス各地方の料理は、その土地の農家・漁師・牧場主と結びついて発展してきた。清水港の魚、静岡の野菜、富士山麓の牛。これらをフランスのビストロ技法で仕上げることは、食材へのリスペクトを表現する自然な方法だと思っています。
私自身も店の裏でバジルやナスを栽培していますが、自分で育てた食材を使うと、ソースの仕込みの時間が少し変わる気がします。「このバジルはあと何日で使いごろだな」という感覚が、料理の組み立てに自然に入ってくる。28年の経験の中でも、これは近年になって実感するようになったことです。
静岡新聞に毎月第一月曜日にレシピを連載させていただいていますが、そこでも地元食材を中心に取り上げています。地元の読者の方が「あ、清水でこんな食材が手に入るんだ」と知るきっかけになれば、という気持ちで書いています。
まとめ:清水でフレンチを選ぶとき、知っておいてほしいこと
イタリアンとフレンチ、どちらが「正解」かではありません。ただ、この2つを比べるとき、押さえておくべき数字と事実をまとめます。
- フレンチのソース仕込みは平均2〜4時間。イタリアンは30分以内が多い。この時間の差が「味の層の数」に直結する。
- シャンティは開業14年、調理師経験28年。清水区での地元食材ネットワーク構築に14年を費やしてきた。
- ディナー客単価5,000〜5,999円で、静岡駅前の本格フレンチと比べてカジュアルに楽しめる価格帯を維持している。
- 自然派ワインを中心に揃えており、「翌日に残りにくい」というご感想を複数の常連さんからいただいている。
「清水でフレンチ」というと驚かれることもありますが、14年間この場所でやってきた理由は、清水に良い食材と良いお客様がいるからです。敷居の話でいえば、ランチはオムライス専門業態(リトルヤミー清水店)としてお子様連れでも気軽にご利用いただけます。ディナーはカウンター6席を含む16席の小さな食堂で、予約なしで来ていただけることも多いです。
記念日のご相談、接待の事前打ち合わせ、「アレルギーがあるけど大丈夫?」というご確認など、お気軽にご連絡ください。電話でもLINEでも、できる限り丁寧にお応えします。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ:054-352-3769
(営業時間:月火金土日祝 11:30〜14:00 / 17:30〜22:00 ※水・木定休)
静岡鉄道・桜橋駅から徒歩10分、店前に2〜4台分の駐車場もあります。清水区西高町の住宅街の中で、皆さんのお越しをお待ちしています。

