フレンチを食べた翌日、なんとなく体が重かった——そんな経験はありませんか?実は食後の「翌日感」を意識してフレンチを選ぶ方は、まだ全体のごく一部なのが現状です。多くの方は「雰囲気」や「口コミの星の数」だけで店を選び、食材の産地や料理の組み立て方にまでは思いが至らない。それが翌日の胃もたれや疲労感につながっていることも、少なくないのです。
はじめまして、あるいはいつもありがとうございます。静岡県清水区でワイン食堂シャンティを営んでいる、畑大好き店長の山田です。この店を開いて14年。「地元にある良い食材や自然に気づいてもらいたい」という思いで2012年に始めたこの場所で、フレンチというジャンルをずっと清水の皆さんに伝えてきました。
今回は、静岡でフレンチを初めて選ぶ方や、「なんとなく敷居が高くて踏み出せない」という方に向けて、私が28年の調理師経験から本当に大切だと感じている3つの基準をお話しします。店選びの参考にしていただけたら嬉しいです。
こんな方におすすめ
- ✅ 静岡・清水ではじめてフレンチを食べてみたい方
- ✅ フレンチを食べると翌日体が重くなる経験がある方
- ✅ 記念日や接待に「外さない店」を探している方
- ✅ 食材の産地や生産者にこだわった料理を食べたい方
- ✅ ワインは好きだけど頭痛や胃もたれが気になる方

基準①「食材の産地と生産者が見える店」を選ぶ
フレンチというジャンルは、素材の良さを最大限に引き出す料理です。だからこそ、どこで誰が育てた食材を使っているかは、味の根幹に関わります。
私が清水区でこの店を始めたとき、まず時間をかけて取り組んだのが、地元の生産者とのネットワーク構築でした。14年かけてようやく今の形になりましたが、現在は富士山麓で育てられた岡村牛、お茶を飲んで育つ清水のブランド豚TEA豚(お茶豚)、そして清水区内の契約農家さんから届く有機・減農薬野菜、清水市場から毎朝仕入れる魚を使っています。
さらに言うと、私自身も畑でバジルやナスを育てています。料理人が自ら土を触ることで、農家さんの苦労や季節の変わり目を肌で感じる。それが皿の上の料理に、確かな説得力として乗っかってくると思っているんです。
フレンチを選ぶとき、「このお肉はどこ産ですか?」「野菜は地元ですか?」とひと言聞いてみてください。すらすら答えられる店は、食材に誠実な店です。逆に答えが曖昧なら、少し注意したほうがいいかもしれません。
静岡県は農産物・水産物ともに豊かな土地です。駿河湾の魚、富士山麓の畜産、お茶どころとしての食文化。この土地ならではの食材を使ったフレンチは、フランス料理の技法と地元の素材が交差する、ここでしか食べられない一皿になります。
基準②「翌日の体」まで考えた料理の組み立てかどうか
フレンチは重い。そう思っている方は多いです。確かにバターをたっぷり使ったソース、脂の多い肉料理が続けば、翌朝の体感は変わります。でもそれは「フレンチそのもの」の問題ではなく、食材の選び方と量の設計の問題です。
私がこだわっているのは、「少量多品目」という考え方です。一品ずつの量は多くしすぎず、その代わり品数を重ねることで満足感を作る。野菜を副菜ではなく主役のひとつとして扱い、肉や魚は質の良い地元食材を少量、丁寧に調理して出す。
たとえば当店の「パリのお惣菜屋さんのサラダ」は、契約農家から届いた野菜を数種類使った多品目オードブルの盛り合わせです。フレンチの夜が野菜たっぷりで始まる、という感覚は、パリのビストロではごく自然なことなんですが、日本のフレンチではあまり見かけない気がします。
ワインも同様です。当店では自然派ワインを中心に揃えています。亜硫酸塩の添加が少なく、化学的な醸造補助剤を使わない造り手のワインは、飲んだ翌日の頭痛や胃もたれが出にくいと言われています。私自身も体で確認して、納得したものをグラスで提供しています。
「美味しいものを食べたい。でも翌日に残る食事はしたくない。」——この気持ち、すごく自然なことだと思うんです。年齢を重ねるほどにそう感じる方が増えてきます。フレンチを選ぶ二つ目の基準は、食後の体のことまで考えた設計ができているか、です。
「ここで食べると、次の日体の調子がいいんだよね」
女性客(食べログ公式PRより)
この言葉は、私がいちばん嬉しいお客様の声のひとつです。レストランとして、これ以上の褒め言葉はないと感じています。
✓ ここまでのポイント
- 食材の産地・生産者が明確に答えられる店は、素材への誠実さのバロメーター
- 「少量多品目」「自然派ワイン」という設計が、翌日の体感を変える
基準③「店との関係性が生まれるかどうか」で選ぶ
三つ目の基準は、少し感覚的な話かもしれませんが——「また来たいと思えるかどうか」ではなく、「来るたびに積み重なるものがあるかどうか」です。
フレンチは一見さんが一度食べて終わる料理ではないと、私は思っています。季節が変わるたびにメニューが変わり、食材が変わり、店主の畑の話が変わる。そういう変化を追いかけられる店こそが、長く通う価値のある店だと思うんです。
私がブログやInstagram(@shantiyamada)、YouTubeで日常的に発信しているのも、その延長です。食材を仕入れに行った日のこと、畑でバジルが育ってきた話、その週に届いた岡村牛のこと。料理が皿に乗るまでの物語を日常的にお届けすることで、来店前から「今日は何を食べよう」という期待値が高まる。それが食事の体験全体を豊かにすると感じています。
また、静岡新聞に毎月第一月曜日にレシピを連載させていただいています。紙面でお名前を知って来てくださる方も多く、そういう出会い方も大切にしています。
当店はカウンター6席を含む小さな16席の店です。カウンターにお座りいただければ、調理しながらワインの話や食材の話もできます。接待にいらっしゃる方の中には、「知られていない良い店を知っていること自体が、相手への最高のメッセージになる」とおっしゃる方もいます。その言葉は、正直すごく嬉しかったです。
「住宅街を少し入ったところで、こんなところにお店があったんだ!といった印象。接客、味も満足度が高い」
食べログ口コミ(2024年11月)
清水区の住宅街の中にある隠れ家のような場所ですが、だからこそ「この店を知っている」という体験が、記念日にも接待にも、特別な意味を持つのだと感じています。
シャンティのフレンチが生まれるまで——28年と14年の話
少しだけ自分の話をさせてください。私は28年間、料理の世界で生きてきました。フランス・ビストロの技法を学び、静岡の食材を知り、2012年7月にこの場所でシャンティを開業しました。
店名「シャンティ」はサンスクリット語で「平和・安らぎ」を意味します。日常からちょっと離れて、体と心を整えるような時間を提供したい——その思いが、今も変わらずこの店の核にあります。
岡村牛のスネ肉を赤ワインで4時間かけてとろとろに煮込む「岡村牛の赤ワインとろとろ煮込み」は、2年連続で金賞を受賞したこの店の看板料理です。4時間という時間は、ただ柔らかくするためではなく、肉の繊維が解けてワインと一体になる「溶け合う瞬間」を作るための時間です。家庭では難しいこの仕事こそ、ビストロシェフの真骨頂だと思っています。
技術は手段です。その先にあるのは、「この人においしいものを食べてほしい」というシンプルな気持ちだけ。28年でそれは変わりませんでした。
まとめ——静岡でフレンチを選ぶ3つの基準、おさらい
今回お伝えした3つの基準を、最後にまとめておきます。
- ①食材の産地と生産者が見える店を選ぶ——「このお肉どこ産ですか?」に答えられる店を選んでください。
- ②翌日の体まで考えた料理の設計かどうか——少量多品目、野菜が主役、自然派ワインが揃っているかを確認してください。
- ③店との関係性が積み重なるかどうか——一度食べて終わりではなく、季節ごとに通いたくなる発信や接客があるかを見てみてください。
静岡・清水でフレンチを初めて選ぶ方にとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。もし「行ってみたいな」と思ってくださったなら、ぜひお気軽にご連絡ください。予約の際に「ブログを読みました」とひと言添えてくださると、私が直接お席のご相談をできますので、記念日やお祝いなどのご要望もお気軽にどうぞ。
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