清水の洋食店、なぜ40年通う常連が絶えないのか

あれこれ

先日、カウンターでいつものグラスワインを傾けながら、お客様のひとりにこんなことを言われました。

「山田さん、私、最初に来たのいつだったっけ。娘がまだ小学生だったから……もう10年以上前ね」

その方は今、その娘さんと一緒に来てくださいます。卒業のお祝い、就職の乾杯、そして誕生日。気づけばテーブルを囲む顔ぶれが増え、「三世代」になっていた。こういう瞬間が、この仕事を28年続けてきた理由だと、あらためて思います。

「清水に、こんなお店があったんだ」と最初は驚いてくださるお客様が、なぜ何年も、何十年も通ってくださるのか。今日はその理由を、数字と具体的なエピソードを交えながら正直にお話しします。

こんな方におすすめ

  • ✅ チェーン店では味わえない「顔を覚えてもらえる」お店を探している方
  • ✅ 清水区内で長く通える地元の洋食店・フレンチを探している方
  • ✅ 記念日や家族の節目を、毎回同じ店で重ねていきたいと思っている方
  • ✅ 地産地消・生産者の顔が見える料理に関心がある方
  • ✅ ワインと料理をゆっくり楽しめる、大人の隠れ家を探している方
清水の洋食店、なぜ40年通う常連が絶えないのか | ワイン食堂シャンティ

「28年」という数字が語るもの

私が料理の世界に入ったのは、シャンティを開く14年前のことです。調理師免許を取り、フランスのビストロ料理を軸にキャリアを積んできた。その間ずっと疑問に思っていたことがあります。

「なぜ、いい食材を使っているはずのお店が、数年で人の記憶から消えてしまうのか」

料理の技術だけなら、28年あれば十分すぎるほど磨けます。でも常連さんとの関係は、技術と別のところで育つ。そのことに気づいたのは、シャンティを開いてからでした。

2012年7月、清水区西高町の住宅街に、たった16席の小さな店を開けました。名前は「シャンティ」。サンスクリット語で「平和・安らぎ」を意味します。掲げたコンセプトはシンプルで、「地元にある良い食材や自然に気づいてもらいたい」というひと言だけ。

最初のうちは正直、苦しい時期もありました。2025年6月のブログ(「じつは閉店寸前でした…」)に書きましたが、経営の危機を乗り越えられたのは、ひとえに通い続けてくださったお客様の力です。その経験があるから、「常連さんとの関係」を何より大切にする、という信念は今も変わっていません。

14年かけて育てた「食材のネットワーク」が料理に物語をつくる

シャンティに通い続けてくださるお客様に共通しているのは、「料理の背景を楽しんでいる」という点です。

うちの看板である「岡村牛の赤ワインとろとろ煮込み」は、富士山麓で育った岡村牛のスネ肉を赤ワインで4時間かけて煮込む一品です。この料理が2年連続で金賞を受賞できたのは、食材との関係があってこそ。14年間、同じ生産者と向き合い続けた結果、「このスネ肉ならこのワインで、この時間で」という確信が生まれました。

お茶を飲んで育ったブランド豚「TEA豚(お茶豚)」も、清水ならではの食材です。清水がお茶の産地であることと、食卓とがつながる瞬間——それをお皿の上で体験していただくと、料理が単なる「食事」から「物語のある食」に変わる。

さらに、私自身が畑でバジルやナスを育てています。スタッフから「店長、また泥だらけで来た」と言われますが(笑)、自分で育てた野菜をお客様に食べていただくときの手応えは、仕入れた食材とは全然違う。「これ、今朝採ってきたんですよ」という一言が、カウンターでの会話を生み、それが次の来店につながる。

契約農家の野菜、清水市場から直送される魚、由比の桜えび……。14年かけて築いたこのネットワークは、簡単には真似できません。そしてそれが、お客様が「また山田さんの店に来たい」と思ってくださる理由のひとつだと信じています。

✓ ここまでのポイント

  • 28年の業界経験と14年の地域密着が、料理と接客の両方に深みをつくっている
  • 岡村牛・TEA豚・契約農家野菜・市場直送魚など、地元食材のネットワークが「物語のある食」を生む
  • 店長自ら畑で野菜を育てる「生産者性のある料理人」としての発信が、お客様との会話をつくる

「次の日体の調子がいい」——数字より正直な、お客様の言葉

食べログの公式PRに掲載されたある女性客の言葉が、ずっと心に残っています。

「ここで食べると、次の日体の調子がいいんだよね」

食べログ公式PR掲載・女性客の声

これは私にとって、星の数よりずっと大切な評価です。

40代・50代になると、「美味しいもの」と「体に残らない食事」のバランスが気になってくる。更年期前後の体調変化を感じている方ほど、翌日の頭痛や胃もたれを気にしながらワインを飲んでいる。そういうお客様の声を、カウンターで何度も聞いてきました。

だからシャンティのメニューは、「少量多品目」を軸にしています。「パリのお惣菜屋さんのサラダ」は、契約農家の野菜を多品目使ったオードブル盛り合わせ。主菜も、岡村牛やTEA豚を適量にとどめ、野菜の付け合わせをたっぷり添えます。ワインも自然派を中心に揃え、「胃に優しいものを」とご要望があればグラスでご提案できます。

静岡新聞に毎月第一月曜日にレシピを連載させていただいているのも、同じ考えからです。「外で食べる料理だけでなく、日常の食生活ごと豊かにしてほしい」という思いがある。常連さんとの関係は、お店の中だけで完結しない。新聞の紙面でつながる、ブログやInstagramで日常を共有する——そのすべてが、長い関係を育てる土台になっています。

「住宅街を少し入ったところで、こんなところにお店があったんだ!といった印象。接客、味も満足度が高い」

食べログ口コミ(2024年11月)

「昼はオムライス、夜はフレンチ」——二毛作スタイルが三世代をつなぐ

シャンティのもうひとつの特徴は、昼と夜でまったく顔が変わることです。

ランチタイムは「リトルヤミー清水店」として、ふわとろオムライスを中心としたメニューをご用意しています。カレー・ハヤシ・クリーム・トマト・カルボナーラなど複数のソースから選べて、お子様メニューもあり、ベビーカーでも入店可能。テイクアウトにも対応しています。

ローカルテレビ番組で複数回紹介していただいたこともあり、「番組見ました!」と来てくださるご家族も多い。お子さんと一緒に初めてランチを楽しんだ方が、数年後にディナーで記念日を過ごしてくださる——そのライフサイクルがシャンティには自然に生まれています。

ディナーは完全にフレンチビストロの顔になります。カウンター6席、テーブル席合わせて16席という小さな空間で、アラカルトから季節のコースまで。春には「春の一期一会コース」や「卒業生半額コース(春限定)」といった人生イベントに寄り添うコースもご用意しています。

「子供の頃にオムライスを食べた店が、大人になって記念日を過ごす場所になる」——これは偶然ではなく、二毛作スタイルが意図的につくり出す「時間の連続性」です。一つの店で人生のいくつもの場面を重ねていただけるから、関係が10年、20年と続いていく。

LINE・ブログ・YouTube——「店を出た後」もつながる仕組み

清水区は、人口減少が進む地域です(2015〜2024年の間に15.4%減少)。それでも、団塊ジュニア世代が2030年まで増加傾向にあることは、シャンティにとって心強いデータです。健康への関心が高く、地元への愛着が強い世代——まさにシャンティが大切にしてきたお客様像と重なります。

この層に長く届き続けるために、私が力を入れているのが「店を出た後のつながり」です。

LINE公式アカウントに登録していただいたお客様には、季節のメニュー情報や会員限定クーポン(グラスワイン1杯プレゼントなど)をお届けしています。メルマガも運営しており、Instagram(@shantiyamada)やYouTubeでは食材のストーリーや畑の様子を発信中。月に一度のライブ演奏も、来店のきっかけになっています。

「山田さんのInstagram見て、また来たくなりました」という声は本当によく聞きます。情報を一方的に発信するのではなく、「次に来たときの楽しみ」を日常の中に置き続けること。それが、常連さんとの関係を育てる実際の方法です。

まとめ——「また来たくなる」は、積み重ねでしかつくれない

40年通う常連が絶えない店の秘密は、特別なマーケティング戦略にあるわけではありません。28年のキャリアで磨いた料理、14年かけて育てた食材のネットワーク、お客様一人ひとりとのカウンター越しの会話、そして「店を出た後」もつながり続ける発信——そのすべてが積み重なって、今のシャンティがあります。

清水区の住宅街に佇む小さな隠れ家で、「次の日体の調子がいい」料理とワインをカジュアルに楽しんでいただく。それがシャンティの変わらないスタイルです。

記念日のご相談、初めてのご来店、常連としての長いお付き合い——どんな入り口でも、お気軽にご連絡ください。カウンターでお待ちしています。

📞 お電話でのご予約・お問い合わせ:054-352-3769

🌐 公式サイトでご予約・詳細を見る

💬 LINEで予約・お問い合わせ(24時間受付・会員登録でグラスワイン1杯プレゼント)

ワイン食堂シャンティ|静岡県静岡市清水区西高町1-1 コーポS 1F|桜橋駅より徒歩約10分|月・火・金・土・日・祝 11:30〜14:00/17:30〜22:00(水・木定休)

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